InDesignの「段落スタイル」

前回のエントリーの補足です。「段落スタイル」についてもう少し説明します。
約50秒の動画です。

段落スタイルの「編集」

InDesignではアートボード上のテキストに「段落スタイル」を適用した以降は、配置したテキストのプロパティを直接変更するのでなく、段落スタイルパレット側で(追加の)編集を続けます。
スタイルの編集を行う(動画内ではフォントの変更を行っています)と、ドキュメント内に配置された該当要素全てに即座に変更内容が反映されます。
スタイル「見出し(h2)」を編集すれば、ドキュメント内に複数ある見出しのスタイルは全て変更されます。

これにより、スタイルを適用する作業(=文書の構造化)と、(とりあえず作成・適用した)スタイルを精緻化する/デザインを推敲する作業を分けて行うことができます。

段落スタイルの「継承」

動画内のスタイルの編集作業では、適用しているスタイルとは別に、細かなフォント設定をまとめたものを「親」スタイル(正式名称は「基準」)として用意し、切り替えています。例えば、タイトル(h2)の親スタイルの「(ベタ打ちの)游ゴシック体」を別の親スタイル「(font-feature-settings : “palt”;を想定した)詰め設定の游ゴシック体」に変更することで、プロポーショナル表示に変更しています。

親スタイルを「Meiryo」に変更すればWindows7用表示、「ヒラギノ明朝Pro6N」に変更すればOSX用表示など、閲覧環境ごとの表示も簡単に検証することができます。

もちろん、「親スタイル」を使わず、個々のスタイルの内容を編集しても同じ結果は得られますが、「プロポーショナルの游ゴシック体」「ベタ打ちのNotoSans DemiLight」「欧文をMyriadにしたAxisフォント」など、デバイスフォント表示・Webフォント表示を前提にすると、設定はそれなりに限られるので、あらかじめ用意していた方が効率的です。

最新アプリの日本語環境

残念ながらSketchやAdobe XDは、細かなテキスト処理、特に日本語特有のフォント周りのWeb表現(の再現)をあまり得意としていません。そもそもメニューが日本語化していないアプリ(Sketch)に文句を言うのもアレですが、20世紀末、1990年代の1バイト語圏向けのアプリを使っているような感じです。
ビジュアル重視のWebサイトのデザインならともかく、テキスト要素を重視しようとするとなかなか厳しいものがあります。

Web上の日本語の表現力が着実に向上しているというのに、とても残念なことです。

InDesignのテキストの割り付け

InDesignの画像の割り付け方法に続き、テキストファイルの割り付け方法についても動画を作成してみました。
実際には、テキスト割り付け後に「段落スタイル」を適用するところまでとなります。1分10秒ほどの動画です。

「段落スタイル」は、書体・文字サイズ・行間・詰めなど、組版に関する指定をセットにして保存・適用する機能です。htmlに於けるブロック要素(≒段落)に適用するcssに近いもの、と捉えると理解しやすいと思います。罫線を付与できるところ、padding(段落間のアキ)を設定できるところなどもcssに似ています。

使い込めば使い込むほど、再利用可能な自分専用の「スタイル」が増えていく/洗練されていくので、作業効率アップのためにはとても重要な機能です。

Webデザインとも親和性の高い機能だと思うのですが、SketchやXDには残念ながら(まだ)搭載されていません。

ちなみに、PhotoshopやIllustratorにも同じ名称の似た機能があるのですが、フォントのレンダリングにこだわっているからなのか、挙動がかなり緩慢・不審、はっきり言ってバギーな印象があり、あまり使いやすくありません。

InDesignの画像の割り付け

(以前のエントリー、「InDesignでWebDesign」の続きです)

例えば、InDesignの画像の割り付け作業は、他のAdobeソフトに比べ、とても簡単、かつ効率的です。

チュートリアル(のようなもの)を作成しました。1分47秒の動画です。

「画像の割り付け(+トリミング)」自体はもちろん、Photoshop、Illustratorを使って行うこともできますが、InDesignに比べ、工程はもう少し煩雑です。

Adobe XD(Adobe Experience Design CC)はInDesignに似た割り付け方法ですが、対応ファイルが少ない(例えば、.aiや.psdは割り付け不可)、画像を(外部リンクでなく)内部に持ち、ファイルがそれなりに重くなる、カラープロファイルを管理する機能がない、など、まだまだ荒削りです。

WebデザイナーがInDesignをさわることはまずないと思いますが、SketchやXDを「発見」した方なら、InDesignも一度触ってみることをオススメします。

また、印刷物のデザイナーでも、タイミングを逸すると、InDesignを全く経験しないままキャリアを積むこともあるようです。以前から使っているアプリを惰性でそのまま使い続けていると、作業効率でいつのまにか他者に差を付けられてしまいます。

InDesignの実務での導入をオススメするかはさておき、開発環境に於けるアプリケーションの選択は、常に柔軟に考えたいと思います。


ちなみに、InDesignの画像の割り付け方法は他にもあります。

  • Finderから画像ファイルを(何も配置されていない)アートボードやペーストボードにドラッグ&ドロップで割り付け。
    • クリックで実物大・ノートリミングで割り付け。
    • マウスで範囲を指定し、その範囲内に(縮小して)ノートリミングで割り付け。
  • ⌘+Dまたはメニューバー[ファイル]→[配置…]で割り付け。
    • さらにオプションを指定して割り付け。
      • 例)aiの背景を透明にしてアートワークのみを割り付け。
      • 例)pdfのページを指定して割り付け。
      • 例)psdのレイヤーを指定して割り付け。

「雑」な作業、段取りを考慮した細かな作業、どちらにも対応しています。

メカニカルキーボード

DSCN1168

Amazonで安いメカニカルキーボードを購入しました。しばらく使ってみて、使うのやめました。その時思ったことのメモ。


  • 購入したのはCherry青軸(軽め・クリック音あり)互換の英語配列キーボードです。
  • クリック音の発生と打鍵は連動していませんでした。「う〜ん、これでは意味がない」と感じました。
  • キーを押し込む過程でクリック音が発生し、実際の打鍵はさらにその奥にありました。クリック音を出さずに連打することもできます。
  • やはり無駄にうるさかったです。
  • 修飾キーの大きさは揃っており、(Mac用に使うための)キートップの入れ替えは簡単にできました。
  • (キートップ変更後の)キーアサインの変更は「キーボード環境設定」からできましたが、どうも左右の修飾キーを独立したキーとして認識していないように感じます。カスタマイズソフトはきちんと導入したほうがよいと思いました(未検証)。
  • 購入したのはテンキーレスモデルですが、テンキーはあったほうがいい、と改めて思いました。
  • 独立したカーソルキーや、「home」「end」「page up」「page down」「del」「ins」などはついているモデルでした。コンパクトモデルを選ぶとしても、これらのキーはゆずれない、と感じました。
  • 「(Backspaceでなく)delete」はあったほうが何かと便利です。「page up/down」もけっこう使います。
  • キーボードが厚いと、けっこう手首が疲れます。あるいは、天板を低めにする必要があります。
  • 薄型の、Apple純正の有線キーボードが自分にはあっているようです。

またしても無駄な買い物でしたが、何かの経験値が少しアップしたのでよしとします。

プロポーショナル化雑感

blogのフォント表示をプロポーショナルにしました。

はてブで話題になっていた、文字詰めできるCSSのfont-feature-settingsが凄い! 日本語フォントこそ指定したい自動カーニング – ICS MEDIA や、Typekitヘルプ | CSS での OpenType 機能の構文を参考に、font-feature-settingsを記述してみました。その際に気づいたことをメモしています。

雑感

  • 色々試しましたが、結局 palt(全ての文字をプロポーショナル)にしました。(※1)
  • pkna(かなのみプロボーショナル)、halt(約物・句読点半角)なども試しましたが、やめました。本当は括弧類は半角、句読点は全角にしたいのですが、そのようなオプションはありません。
  • プロポーショナル(字幅に合わせた文字送り)にするのが目的で、たくさん文字を詰め込もうとしているわけではありません。試しに letter-spacing: 0.03em などを併記してみましたが、こんどは多用している三点リーダ二つ( …… )の間に隙間が出来てしまいました。やめました。
  • 項目の区切りに多用していた全角パイプ( | )の前後が詰まってしまいました。どうしよう。

あまりの融通の利かなさに、PageMakerの初期バージョン(30年近く前)を使用してる気分になりました。Web上でキレイなフォントをキレイに(かつ合理的に)組版できるようになるのはまだ数年ほどかかりそうです。

Webフォントのプロポーショナル化

  • Googleが用意したWebフォント(Noto Sans)にはfont-feature-settingsは適用されませんでした。軽量化のためにプロポーショナルメトリクス情報が削除されているようです。
  • 武蔵システムの「サブセットフォントメーカー」で軽量化するとやはりメトリクス情報は削除されてしまいます。ちなみに、ヒント情報なども削除されるので、表示も劣化してしまうようです(※2)。
  • (サブセット化・軽量化されていない)本来のNoto Sansを武蔵システムの「WOFFコンバータ」で変換するとメトリクス情報は削除されませんでした。ですが、容量が巨大なので、Webフォントとして使用するのは現実的ではありません。
  • メトリクス情報を残したままの合理的なサブセット化の方法はまだ見つけていません(※3)。アプリケーションFontForgeGlyphsなどを調べ始めています。

※1
OSXのSafariでは括弧類の挙動が変です。直後にリンクがあると特に文字詰めの崩れが激しいようです。バッドノウハウには関わりたくないのでとりあえず無視します。他にも制限・不具合はあるようで、こちらのページなどにもまとめられています。
「文字詰め」の使い方 – TypeSquare Blog

※2
武蔵システムさんのサブセットフォントメーカーを使うとフォントが劣化する件 | つめもよう

※3
源ノ角ゴシック(Source Han Sans)をサブセット化したい時にやったことまとめ – フロントエンド開発Blog | オレには鈍器がある 無料ゲーム公式サイト

CSSとJavaScriptで文章をメモ書き風に – ウェブログ – Hail2u.net

Webフォントの導入

blogのフォントを変更しました。

スマートフォンの表示が良くなかった(モトヤが好みでなかった)ので、Webフォントを導入しました。Google Fonts + 日本語 早期アクセス • Google Fonts + Japanese Early Accessで提供されているNoto Sansを使っています。

@font-faceの記述の際に、フォントファミリー「Coluli」を定義し、ローカルフォントとして游ゴシックを組み合わせました。変更後は、

OSX:游ゴシック体(ミディアムとボールド)
Windows10:游ゴシック(ミディアムとボールド)
Windows8.1:游ゴシック(レギュラーとボールド) ◎ミディアムが入っていないため。
Windows7:メイリオ ◎游ゴシックが入っていないため。
スマートフォン:Noto Sans(デミライトとボールド)

で表示されていると思います。

InDesignでWebDesign

備忘録ですらない完全な独り言。Adobe InDesign CCがWeb(グラフィック)デザインツールとして最適なのではないかという仮説。

ひとりQ&A

Q. え? InDesign? あれは印刷物を作るアプリでは? なんでまたInDesignなんかでWebデザインを?
A. とにかく速いから。軽いからです。速さは正義。軽さは正義。

Q. どのくらい速い/軽いアプリなの?
A. Adobe XD(Adobe Experience Design CC)より速いと思います。
◎「ヌルサク感」はXDの方がよいので、体感的にはXDの方が速く感じるかも。

Q. Adobe XDなんて使ったことない。もっと一般的なアプリで比較して。
A. Photoshopよりも当然速いです。Illustratorよりも速いです(Illustratorはそもそも激重アプリ。使う人の気が知れない)。Sketchは使い込んだ事がないので保留ですが、バージョンアップを繰り返し重くなってしまったと聞いています。Fireworksも作業効率の良いアプリでしたが、総合的にはInDesignに負けます。

Q. 信用できない。
A. 一定数の文字列や画像を配置して、いろいろ操作してみてください。ファイルオープンの時間や保存にかかる時間、レインボーサークルの発生する頻度を比較すればわかります。

Q. 多少速いだけでは意味ないのでは?
A. 速さは正義。InDesignは「ページ」の概念があるアプリ。「アートボード」が数個あった程度で能率は上がりません。1〜数枚のデザインを作成するためのアプリと数十枚以上のデザインを同時に進めるためのアプリの違いです。

Q. 速いだけがメリットのアプリなの?
A. 商業印刷物製作のデファクトなめるな。圧倒的なメリットとなる特徴が他にも複数あります。もちろんデメリットもあります。

Q. 具体的なメリットとデメリットを教えて。
A. 独り言なんで詳細に書く根気がでません。とりあえず箇条書きで放置することとします。


メリット

  • 強力なテキスト制御による(日本語含む)デバイステキストのシミュレーション。
  • 強力なテキスト制御による文字画像の並行製作。
  • 「段落スタイル」によるcssライクで効率的なテキスト操作。
  • 「段落スタイル」によるcssライクなパディング処理。エレメント処理。
  • 「テキストフレーム」を利用したcssライクなパディング処理。エレメント処理。
  • 「文字スタイル」によるcssライクなインライン修飾。
  • 「段落スタイル」の継承による合理的な要素管理。
  • 環境設定とグリッド設定による厳密なpixelベースの作業。
  • 「マージン・段組」を利用した、合理的なグリッドシステムの適用。
  • 小数点以下の数値入力による、高解像度デバイスへの対応。
  • 「ページ」「マスターページ」の概念による、ページ間のグリッド・デザイン・共通要素などの連関維持。
  • 「フレーム」を使ったクリッピングマスク処理いらず、スマートオブジェクト化いらずの画像割り付けと作業ファイルの軽量化。
  • 読み込みファイル形式の充実と何も考えずに下処理いらずで放り込めるリンク管理。
  • 割り付けたオブジェクトは全て「リンク」として外部ファイルに。ファイル容量の軽減。
  • 「Links」フォルダ内の「暫定」画像を「本番」画像で上書けば、デザインファイルもアップデート。トリミング位置も維持。
  • 読み込み・書き出し時のシンプルで容易なカラープロファイル管理。
  • 背景透過png書き出しによる、基本的な画像書き出し(2x含む)対応。
  • 余白も制御可能なパーツ単位でのjpg書き出し・png書き出し。
  • PDF出力・紙出力との親和性。デザイン完成時にプレゼン資料も併せて完成。
  • 高品質なワイヤーフレーム作成ツールとしての活用。以降のデザイン開発へのシームレスな移行。

デメリット

  • 「pixel by pixel」表示の概念がない。作業中は脳内補正が必要。
  • 作業中の表示がそれなりに粗い(「書き出し」後の画像ファイルは完璧)。
  • ブラウザプレビュー、外部デバイスプレビューなど、完成イメージを何度も素早くチェックする機能がない。
  • Photoshopの「アセット」のような、実装用画像切り出しの効率化を助ける機能はない。
  • 切り出し画像に事前にファイル名を付与しておくことができない(書き出しごとに1枚ずつ逐次命名)。
  • 書き出したpngファイルにカラープロファイルが付かない(jpgには付く)。
  • jpg書き出し時に細かな圧縮率の調整ができない。
  • 「透明」カラーの操作が貧弱。
  • (バイキュービック/ニアレストネイバーなど)画像拡大縮小の方法は選べない。拡大縮小時のシャープネス追加も行えない。
  • (今となってはもう不要だが)アンリエイリアス無しのデバイス文字はシミュレーション・作成不可。
  • 文字画像書き出し時のフォントのレンダリング方法(「クリスプ」「滑らか」など)は選べない。