プラスティック外科医

「プラスティック外科医」って誤訳。「形成外科医」のはず。

ウィリアム・ギブスンの『モナリザ・オーヴァドライヴ』の一節です。


「ジェラルド・チン、歯科医」
「プラスティック外科医だって言ったじゃないの」
「そうだもの」
「どうしてわたしたちも、ほかの人たちみたくブティックに行かないの……」

原著ではこんな感じです。


“Gerald Chin, Dentist.”
“You said he was a plastic surgeon.”
“He is.”
“Why can’t we just go to a boutique like everybody else?”

「plastic surgeon」は「形成外科医」と訳すはずなので、「プラスティック外科医」明らかに間違いではあります。
黒丸尚の翻訳はたいへん強引で、あえて誤訳にしている箇所もあるようです。
どんなニュアンスを付けたかったのでしょうか……。確かに「プラスティック外科医」のほうが、自由自在に容姿を造り上げられそうです(この後、ヒロインは擬験スターそっくりに整形されてしまう)。とはいうものの、ここで訳者が勝手にニュアンスを付け加えていいのでしょうか。

……。失礼しました。いずれにせよ、2010年にするエントリーではないですね。1988年の作品です。