60fps動画をスローモーションに

せっかくの60fps動画、スローモーション用素材として活用してみます。

Lumix GH1を使ったムービーは全て1280px × 720pxサイズ、60fpsで撮影しています。手元のパソコンで観るとたいへん綺麗なのですが、60fpsの大画面動画をwebで公開しようとすると色々と敷居が高く、なかなかうまくいきません。

60fpsでのアップは一旦あきらめ、倍の長さの30fps動画=スローモーション動画を作成してみました。
素材は前回のエントリーで紹介した、自作ステディカムのテスト撮影です。

追いかけっこ|スローモーション

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制作方法
iMovieとJES Deinterlacerを使ってファイルの変換を行います(※1)。「iMovie Events」フォルダ内、読み込み済みのAIC(Apple Intermediate Codec)形式の元素材クリップを、JES Deinterlacerを利用し([Standards coversion]→[Movie Speed:0.5])、倍の長さの30fps動画に変換します(※2)。変換したデータを再度ムービー素材としてiMovieに読み込ませ、30fpsのスローモーション動画として編集します。

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音楽
JES Deinterlacerは音声ファイルも倍の長さに変換してくれるのですが、一旦全部削除し、YouTubeの「オーディオ入れ替え(AudioSwap)」機能でリストアップされる(無料の)音楽をつけてみています。
「トラックを自動的に選択する(I’m Feeling Lucky)」を数回叩いて出てきたものを適当に選んだだけですが、音楽が加わるとやはりそれらしくなります(※3)。便利になったものです。

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Final Cut ProやAfter Effectsがあればもっと手軽に&確実にできるのはわかっているのですが、お金をかけずに工夫するのも楽しいものです。

※1 本来、iMovieの編集画面上でインスペクタ[クリップ:速度]を調整すればスローモーション映像は簡単に作成できるはずなのですが、書き出した動画はなぜかフレームを2枚ずつ繰り返すだけの水増し疑似スローモーションになってしまいました。読み込んだ素材は60fpsなのですが……。

※2 [Movie Speed:0.4]とし、24fpsにした方が良かったかもしれません。再生環境によっては30fps再生すら確保できない場合もありますし、より「映画っぽい雰囲気」のお洒落な動画になるかもしれないので。

※3 本当は、Nujabes&shing02のLuv (Sic) Part.2あたりをつけたいのですが、著作権は尊重したいので……。

動画共有サイト

ニコニコ動画=△、Veoh=◎、blip.tv=○。一番のお気に入りはblip.tv。

60fpsの大画面動画を高画質で公開できる動画共有サイトを色々調べています。備忘録です。

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Googleを使い「60fps」で検索をかけると、ニコニコ動画内のアイマス系がたくさんヒットします。例えば、こんな感じの作品です。

アイドルマスター 春香 てかてか水着 60fps‐ニコニコ動画(ββ)

確かに60fpsです。ただ残念ながら画質的には今ひとつのようです。また、(無料会員の場合)時間帯によって帯域制限がかかります(低画質モードの場合、60fpsは確認できませんでした)。

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高画質で有名なVeohもためしてみました。サイトで「60fps」を検索するとやはりたくさんのゲーム系の動画がヒットします。ただ、ブラウザ上で観る限り、あまり高画質ではありません。

ビデオ から “60fps” から検索する | Veoh Video Network

が、専用のプレーヤー(ダウンローダー)、Veoh Web Playerを併用するとなかなかです。高画質のオリジナルデータをローカル環境にダウンロードし、いつでも観る事ができるようです。60fps、1280px × 720pxの高画質なアイマス動画を入手できました。

ダウンロード完了までにはそれなりに時間がかかります。使い方としては観たい動画を事前に(サンプル動画を観るように)チェックし、めぼしいものをダウンロードした後、ゆっくり観る、といった使い方を想定しているようです。

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blip.tvはどうでしょうか。コントローラーのデザインが良いので、個人的には好きなのです。

自分のファイルをアップし、embedしてみました。

embed用の.flvの画質はあまり良くないのですが、元のページに行くと、オリジナルの.movファイルを閲覧する事ができます。

適度に高画質、オリジナルも(ダウンロードせずに)閲覧可能。今のところ、こちらが一番気に入っています。

ブレインストーム

映画「ブレインストーム」は大画面60fpsを目指していた。

最近はずっと「大画面の60fps」を気にかけています。関連エントリーも少しずつ増えてきました。続けます。

大画面で60fpsと言えばやはり「ショウスキャン」です。
ショウスキャンと言えばやはりダグラス・トランブルの「ブレインストーム」でしょうか。


(屈託のない笑顔の)クリストファー・ウォーケンと(ただのタバコをすってるおばさんの)ナタリー・ウッドルイース・フレッチャー。

DVDジャケットの紹介文

ノース・カロライナ州のエバンズ電子研究所。
ここではある画期的な装置が開発されていた。
「ブレインストーム」と呼ばれるこの装置は、
他人の思考・記憶・感覚のすべてを実体験できる装置である。
ついに実験に成功したマイケル博士たち。
しかし、喜びもつかの間、その装置を狙って軍が動き出す。
さまざまな可能性を秘めたブレインストーム。
軍との攻防が続く中、熱心な女性科学者リリアンは心労からか
研究所で突如、心臓発作に見舞われる。
死を覚悟した彼女は、ブレインストームで自らの死を記録しはじめた———。
リリアンの遺志を理解したマイケルは、
“死の記録”をわが身で体験しようとするのだが…。
主演はクリストファー・ウォーケン、そして本作が遺作となったナタリー・ウッド。
人間の死をはじめ、未知の世界を映像化するなど
ビジュアル表現の限界に挑んだ、スーパー・サイエンス・スリラー。

……。いわゆる疑験(シムステイム)デッキを開発した科学者が、なんだかんだ色々あって最後に人の死の瞬間を生きたまま経験する、っていう、まあ全然面白くない映画です。

ある意味、ストーリーとかは後付けで、やりたかったのは臨場感あふれる新しい映像システム(なんだと思います)。
さらに、それを現実(のシーン)ではなく、ブレインストーム(のシーン)の方で使い、現実と仮想現実のリアリティを逆転させる。
結果、哲学的な「リアルとは何か」という……(以下割愛)。

で、その新しい映像システムが「ショウスキャン」。

ショースキャンとは|weblioビデオ用語集

大型映像システムの一つ。70mmフィルム5パーフォレーションを使用し、60コマ/秒と、標準の映画の2.5倍のコマ数にして、大型スクリーンに映写する。特に動きのある映像の臨場感に優れる。

ふぅ。やっと出てきました。「大画面の60fps」です。
映像の臨場感/現実感の向上のためには、やはりこの組み合わせに意味があるようなのです。

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補足

wikipediaを見る限りでは、実際にはこの映画の製作にショウスキャンは使われず、単に上映時の画面サイズを変更するにとどまったようです。

ブレインストーム(映画)|wikipedia

通常の24コマ/秒とショースキャンの60コマ/秒を切り替えて上映する困難さからスクリーンサイズを通常シーンを35mmビスタサイズ、ブレインストーム装着時には65mmと使い分ける事で解決した。

さらに残念な事にDVDではどちらも4:3レターボックスに納められてしまっています。結果、ブレインストームのシーンは単に細長い(通常シーンよりも面積の少ない)、魚眼レンズの映像でしかありません。

映画館ではこのように見えたはずです。↓


ブレインストームのシーン。


通常シーン。


ブレインストームのシーン。


通常シーン。


ブレインストームのシーン。

ビデオスタビライザー(1)

一脚を使ってビデオカメラの撮影を改善しました。

先日のエントリー、「60fpsで(やっと)テレビ並み」のサンプル動画、われながらひどい出来でした。反省しています。

「カメラをくいくい振り回す」、「むやみにズームを使いまくる」、「移動中に腕をだらりと下げて地面を延々映す」等々、たかだか2分半ほどの動画にビデオ撮影の初歩的な間違いを山ほど盛り込んでしまいました。

ご覧になった方は「60fps」のサンプル、というよりも「お父さんがやってしまいがちなビデオダメ撮影」サンプルに見えたかもしれません。

再撮影に挑戦してみました。

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ビデオスタビライザーを導入

たまたま(本当に偶然に)読んでいた『Make:』の創刊号(日本版|Volume 01)に「14ドルで作るビデオカメラスタビライザー」という記事が載っていました。


記事の扉です。確かにこんな道具があれば、ビデオカメラが安定するかも知れません。


使うときにはやや腰を落とします。この人が作者のようです。


概念図。記事には、材料の解説や実際の作り方が懇切丁寧に載っていました。

確かにこれを導入すれば、撮影は改善するかもしれません。

090620|追記 作者のサイトに内容がまるまる掲載されていました。「$14 Steadycam The Poor Mans Steadicam」。

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スタビライザーの動作原理

作り方は細かく書いてあったのですが、肝心の動作の原理はいまひとつ詳細に書かれていませんでした。誌面を眺め、動作原理を想像してみました。次のようなものです。

◎まず、質量(重さ)を増やす。
慣性の法則を利用します。質量を増やす事により、外部の(力学的な)影響を受けにくくします。あえて「とり回しにくくする」ことでカメラの動き全般を滑らかにします。

◎上下に長くする。
Y軸方向に質量を分布させます。「上も下もまんべんなく重くし、また、塊として大きく(上下に長く)する」という事です。これにより慣性モーメントが大きくなり、カメラのティルト(Y軸の傾きのぶれ)が起こりにくくなります。おもりのついた鉄パイプは、いかにも振り回しづらそうです。

◎重心は手元(のやや下)に。
記事には書いてありませんでしたが、重心は持ち手のやや下あたりのようです。質量を大きくするためにむやみにおもりを(下に)つけると重心が下端に偏り、振り子のようにぶらぶらとしてしまいます(動かしてみてわかりました)。重心が手元近くであれば、左右に振り回しても、カメラは傾かず、平行に移動します。

◎腕をバネ代わりに使う。
いわゆるステディカムのような複雑な機構がない分、人間が補ってやる必要があります。要は使っている本人がカメラを揺らさないようがんばれ、という事です。

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作らずに済ます

動作原理はわかった気になったのですが、めんどくさいので「わかった! さあ作ろう」という気にはなりません。なんとか楽に済ます方法を考えてみました。

結論からいうと、
ビデオカメラに一脚をつけて、それを手で持って撮影してみる
事にしました。

手持ちのビデオはもともと軽いもの(約600g)なので、一脚程度の重量増(+650g)でも十分効果が見込めると思いました。また、(総重量を変えずに)長さを調整できるので、重心のコントロールも容易だと考えたのです。


こんな感じです。SONYのHandycamにSLIKの一脚の組み合わせ。

使っている一脚はもっと伸ばす事もできますが、使い勝手と効果のバランスでこの長さにしています。また、先端におもりをつけ、重量増を試してみましたが、重心が下に偏るばかりで効果はありませんでした。この長さぐらいが良いようです。

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撮影結果

こんな感じです。どうでしょう。

classid=”clsid:02BF25D5-8C17-4B23-BC80-D3488ABDDC6B” codebase=”http://www.apple.com/qtactivex/qtplugin.cab”>

◎フルサイズ版をこちら(MobileMe)に用意しました。

「シャイニング」程ではないですが、縦/上下共におおむね安定していると思います。
カメラを横にパンする際に若干もたつく(後、スキップする)感じがありますが、これはビデオカメラ自体の手ぶれ補正の誤作動(誤判断)です。今度はオフで試してみます。

実質、Lumix GH1だけ。|追記あり

1280*720pxで60fpsの動画が撮れるのはLumix GH1だけなのか……。追記。Xactiの旧機種が対応していました。EOS 7Dも。

60fpsで大画面の動画が撮影できるデジカメ、最近ずっと探しているのですが、全然見つかりません。

今のところ、Panasonicのデジカメ、Lumix GH1だけが1280px × 720pxの60p動画を撮ることができるようです。

最近どっとでた、デジタル一眼レフの動画性能はどれも軒並み20〜24fps。被写界深度の浅さはかなり魅力ですが、あちらが目指しているのは「なんちゃって映画風味」の動画。どうも私の求めているものとは違うようです。

「ハイビジョン動画が撮れる!」を売りにした(レンズ一体型の)コンパクトデジタルカメラも多数でましたが、スペックをよくよく確認してみると、ほぼ全て30fps止まりのようです。

数少ない例外は2機種。SANYOのXacti DMX-HD2000(および姉妹機のDMX-FH11)、CASIOのEX-F1です。どちらもフルハイビジョンサイズ(1920px × 1080px)の動画を60fps(60i)で撮影できます。

ちなみにXactiの方は、60pのフルハイビジョンも撮れるようです。でもこんな巨大(24Mbps)なH.264動画、並のPCでは再生すらできませんね……。少なくとも私のマシンでサンプル動画を再生してみましたが、30fpsあたりまでコマ落ちしてしまいました。

また、60iの動画なら、素直にハイビジョンビデオカメラで撮ればいいじゃないかとも思います。PCで鑑賞するには向きませんが、ハイビジョンテレビにつないで観るなら無問題です。また、Final Cut Proを使えば、かなり簡単にフィールド補間の60p動画も作れるようです。

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090611追記

60fpsで大画面の動画が撮影できるデジカメをもうひとつ見つけました。SANYOのXacti DMX-HD1010(およびマイナーチェンジ前の機種、DMX-HD1000)です。既に最新カタログからは落ちていますが、一応現行商品です。1280px × 720pxの60p動画の撮影に対応しています。

ただ、各種のレビューを読む限りではAFやマイクなど、ビデオカメラとしての基本性能が今ひとつのようです。小型軽量で価格も下がっているのですが……。

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090905追記

CanonのEOS 7Dも参戦。PAL向け(?)に50fpsを追加しつつ、30fpsを省略したのも渋い。相変わらずヘッドホン端子がないのが解せません。プロの映像関係者の要望はないのだろうか……。

60fpsで(やっと)テレビ並み

動画は60fpsでやっと(ブラウン管の)テレビ並み。

先日のエントリー「DVD Player.app」はtumblrでquoteされたおかげでそれなりにたくさんの方に読んでいただきました。id: takaakikさん、ありがとうございます。

私の文章のまとめ方のせいもあり、「Appleすげー」的な文脈で読まれてしまっているようですが、それよりも本当は「動画は60fpsでやっと(ブラウン管の)テレビ並み」なんだ、という事をもっと主張したいと思っています。

60fps動画の自然さ、滑らかさ、(でもテレビだと)当たり前な感じというのは、webではなかなか伝える事ができません。ネットはまだまだ帯域が足りませんし、PCの液晶モニタの反応速度もテレビのようには速くないからです。

周りを見回しても、企業のスペシャルコンテンツは(フレームレートよりもサイズを優先して/あるいはあえて「映画」っぽくするために)24fps程度だったりするし、モノ系の情報サイトでも静止画の画質や最大解像度の話はしても、fpsの話はあんまりしません。そもそも直接観れるサンプルが少ない。

とにかく、「60fpsは普通に滑らかだよ。今までのテレビ(/ビデオ)って、だいたいこんな感じでしょ」とわかるようなサンプルを、との考えで作ってみました。

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60fps動画サンプル。データ転送量節約のため、音声は削除してあります。

60fps動画には、もっとポピュラーになってほしいと考えています。

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その他の動画サンプルはこちらから(MobileMeギャラリーへ)

どれもオリジナルデータは普通の(スタンダードの)ビデオカメラで撮影したもの、16:9モードで853px × 480px、30iのNTSCのDVデータです。それをJES Deinterlacerで60pに変換し、さらにH.264でファイルサイズを圧縮しています。また、音声ファイルはその際に削除しました。無音です。

半分のサイズ(426×240|60p / 30p)とそのままのサイズ(853×480|60p / 30p)の合計4種類ファイルを用意しています。

ビットレートは一律1.5Mbpsに制限したので「そのままのサイズ/60p」だとさすがに画質が悪くなっているようです。「ハーフサイズ/60p」あたりが滑らかさ/画質のバランスがとれているのではないでしょうか。

DVD Player.app

DVD Player.app、「パねぇ」。

OSX純正のDVD再生ソフト「DVD プレーヤー」ですが、今さらながら感心しています。

Leopardになってから、さりげなく、仕様が変わっていました

ビデオの画質を向上

インターレース解除と逆3:2プルダウンをオンデマンドで適用できる適合型ビデオ分析テクノロジーで、さらに高画質なビデオを楽しめます。

「逆3:2プルダウン(※)」とありますが、要は、DVDにNTSCの規格(60i)で記録された映画やアニメを、(フィルム本来の)オリジナルの24fpsに変換して表示してくれる、という事です。

また、さらっと「インターレース解除」と書いてありますが、どうやらこれは、単にコーミング除去のための60i→30pではなく、(フレーム補間の)60pにしてくれているようなのです。

これは、いわゆる「ビデオカメラ」がソースの映像(家族のビデオやアダルトDVDなど)を視聴すると、明らかに動きの滑らかさが異なることでわかります。いわゆる「テレビっぽい」質感になるのです。

パソコンでDVDを視聴するときはこの「デインターレース(インターレース解除)」が悩みの種で、ずっと(このためだけに)Windows用のソフト、「WinDVD」を使っていました。LeopardのDVD プレーヤーがパワーアップしていたのに気付かず、つい最近も最新バージョンを買ってしまったくらいです。

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それにしてもAppleのソフトウェア、万事がこんな感じですね。おそろしく改善しておきながら、ほとんど何にもいわない。素人がデフォルトで使って、最高品質をいきなり出してくる。それを「キラーソフト」とかではなく、地味な標準アプリでも徹底してやってるって……。こういうときこそ、「パねぇ」というべきなのでしょう。

少し前にも、「Leopard プレビュー.appの底力 – ザリガニが見ていた…。」というブログ記事で、(地味な)純正アプリの一つ、「プレビュー」が徹底解説されていました。

※「逆3:2プルダウン」をググったら、ここがたいへん詳しく、わかりやすかったです。
TMPGEnc 3.0 XPress掲示板