自作ビデオスタビライザーの多様性

自作スタビライザーの様々なアイデア。

近年の自作ビデオスタビライザー(いわゆるステディカム)の世界は、どんどん多様性を増しているように思います。新しいアイデア、技術、アプローチが生まれており、目が離せません。

いくつか印象的なものを集めてみました(※)。

オーソドックスなグライドカムタイプですが、ダンパー(サスペンション)を追加して歩行時の縦揺れを吸収しているのが素晴らしい。

こちらもすごい。ブラシレスジンバルと旧来型の併せ技で、正確且つ滑らかな動きを実現しています。
すぐにでも市販できそうな完成度です。

モーター制御のみでMōVIのようなものを自作している人もいますが、どうしても動きがぎくしゃくしてしまうようです。

ブラシレスジンバルBrushless gimbal)」はトレンドなのでしょうか。
検索ワードとして使うと、興味深い動画などがたくさん出てきます。

お風呂や洗面所でよく使われる「ボールチェーン」をジンバルに使ったタイプです。
作例を見るととても安定しており、実戦向きな印象です。

三脚を改造した超素朴なスタビライザー。お金をかけずに作るアイデアは大好きですが、
それよりも撮影の結果がすばらしい。十分実用的です。

どれも素晴らしいです。

※ YouTubeで関連動画をたぐっていけば他にも興味深い動画がどんどん現れますが、断片的な「ネットサーフィン」になってしまうので、なかなか体系的に把握できません。備忘録的にエントリーしています。

FinePix F900EXR動画の手ぶれ補正

FinePix F900EXR動画の手ぶれ補正機能は、特に優れてはいません。

FinePix F900EXRの動画性能を調べています。
動画撮影時の手ぶれ補正の性能を、DSC-RX100と比較してみました。


YouTubeでみる

  • F900EXRとRX100を1台の三脚に取り付けて、同時に撮影しています。
  • F900EXRは光学式(CMOSシフト方式)手振れ補正(動画専用モードはありません)、
    RX100は光学式・電子式併用の動画専用の手振れ補正[アクティブ]モードで撮影しています。
  • ビデオスタビライザーの類いは特に使っていませんが、「一脚スタビライザー」のような状態です。

実際の違いは動画を観ていただくしかないのですが、印象としては、

  • やはりRX100の方が手ぶれ補正がよく効いています。歩行時のショックが少ないようです。
  • F900EXRは撮影時にフォーカスが時々跳ねます。AFの挙動が 「(ビデオでなく)カメラ」的で、ややせわしない感じがします。

F900EXRは動画性能を売りにしたカメラではありません。残念ながら予想通りの結果です。

テストを続けてはいますが「予想外の結果」が出てこないので、どうもあまり面白くありません。

DIYジャイロ・スタビライザー

「ジャイロ・スタビライザー」を作ってみたい。

DIY Gyro stabilizer

ビデオスタビライザー(いわゆるステディカム)関連をネットで調べていたら、「ジャイロ・スタビライザー」というのを知りました。
地球ゴマ」などの原理でもある「ジャイロ効果」を使った画像安定装置(※)だそうです。
製品化したものを紹介している、こんなサイトがありました。航空写真とかを撮るのに使われているようです。

自作している人、いるかなぁ、と思って調べてみたら、いました。作例が今ひとつわかりづらいのですが、なんらかの効果はあるようです。
それにしてもちょっと本格的すぎるなぁ、もっと簡単に、たとえば使い古しのHDDとかを使って作れないかなぁ、と思って調べてみたら、しっかりそういう人もいました。
高速回転で(7200rpmとか)でプラッター数の多い(=重い|3枚とか)のHDDとかを複数台使えば、そこそこ実用的なものが作れるような気もしますが、かなり重くなってしまいそうです。そもそも電源はどうしましょう……。

「ジャイロ・スタビライザー」。キーワードとして、ちょっとだけ気にかけておこうと思います。

◎冒頭のそれらしい写真はイメージです。実際には機能しません。

追記|130729 本来は船舶や航空機の揺れを防ぐための装置であり、必ずしも「画像」を安定させるだけとは限りませんでした。

YouTubeで高画質動画[失敗]

YouTubeで高画質動画をアップすべくいろいろやってみましたが、成果はでませんでした。

YouTube動画を高画質でアップする方法を模索しました。が、今ひとつ成果が出なかったので備忘録となります。

先日の「剪定鋏式 改」など、動画はAVCHD ver.2.0(AVCHD Progressive)で撮影することが多いです。60p/28Mbpsのh.264です。
編集するときはApple ProRes 422で行ないます。今回は278Mbpsになってしまいました。

ローカル環境では大変高画質なのですが、YouTubeにアップすると一気に画質が落ちてしまいます。
「動画の管理」画面から「MP4でダウンロード」するとFHDサイズの公開動画を入手できますが、
Media Inspectorなどで確認してみても、平均ビットレートは6Mbps弱、最高ビットレートは10Mbps弱です。

YouTubeをだましてなんとかビットレートを上げられないかといろいろやってみました。

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キーフレーム間隔は関係ない

書き出し時にキーフレームの間隔を変えてみました。

2フレーム5フレーム10フレーム15フレーム90フレーム(3秒ごと|Adobe Media Encoder推奨値)、全てのフレーム(をキーフレームに)、1800フレーム(キーフレームなし)など、いろいろやってみましたが、YouTube公開後の動画ファイルサイズへの影響は(ほぼ)全くありませんでした。

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フレームレートも関係ない

オリジナルは60fps(59.94fps)、YouTubeへは30fps(29.97fps)に変換したものをアップしています。
20fpsにフレームレートを落としたものをアップしてみましたが、やはりビットレートに変化はありませんでした。
1フレーム当たりのデータは増えている、と考えられなくもないですが、キーフレーム数が不明なのでよくわかりません。実際の見た目にも画質の向上は感じられませんでした。

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元動画の動き情報はきちんと把握されている

(仮に)書き出される平均ビットレートがいつも一定ならば、動かないパートを増やせば動く部分にその分割り当てられるかも、と考えて、動画の後ろにグレーの静止画像を1分足してみました。

BitrateViewer

が、今度は平均ビットレートが半分になってしまいました。
Bitrate Viewerで確認してみると、動きのある前半に6Mbps〜10Mbpsが割り当てられています。
YouTubeはオリジナルの動き情報をきちんと参照しているようです。

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シネスコサイズで少し改善?

画面をトリミングしてシネスコサイズ(12:5)にしてみました。
FHD(16:9)の画面を黒でマスクしても、クロップ(削除)しても、平均ビットレートに変化はありませんでした。トリミング前と同じ、6Mbps弱です。
有効画面が小さくなった分、画質は向上しているはずですが、劇的な改善ではないようです。

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一旦あきらめて後処理

色々実験してみましたが、有為な改善がなかったので一旦あきらめ、開き直ってデータ処理を行なってみました。
動画編集ソフトの「手ぶれ補正」処理を加えてアップしてみました。動きを解析し、画面をトリミングしながら動きをなめらかにする処理です。FHDの精細さは失われますが、どうせ28Mbps → 6Mbpsなのでたいしたことはありません。ステディカム風の浮遊感がでてきました。

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倍速再生でビットレート向上

1/2スピードの動画を作成しアップしてみました。2倍速で再生するとビットレートは12Mbps、フレームレートは60になるので一応画質は向上します。

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結局あきらめる

いろいろやってはみましたが、再生時に視聴する側がHDモード(720p/1080p)にしてくれなければ意味がありません。
公開サイズでの最適化を行い、このblogのサーバーにアップしました。

640px × 360px、60p、4Mbpsのmp4ファイルです。Final Cut Pro Xでの手ぶれ補正処理を加えています。

自作ビデオスタビライザー「剪定鋏式 改」

自作のビデオスタビライザー「剪定鋏式 改」を制作しました。

新コンセプトのビデオスタビライザー(いわゆる「ステディカム」)を自作してみました。
名称は、剪定鋏式 改(せんていばさみしき かい)です(※1)。

DIY Steadicam

安物の小型三脚に簡単な工夫を加えています。

簡単なサンプル動画を用意しました。

YouTubeでみる

ふたつのアイデアを盛り込んでいます。


「二脚」によるグリップ

小型の三脚を使い、そのうちの2本の脚を伸ばして握り手としています。
カメラはやや斜め上向きに取り付け、撮影時には斜め下からカメラを支える形になります。

剪定鋏式改

鏡の前で撮影後、反転しています。

このような効果があると考えています。

  • 両手で持つ事により、手首の動きの大半が封じられます。片手撮影で発生しがちな、手首の動きによるブレを抑えます。
  • カメラから手首までの距離を確保することにより、アングル変更の動きが緩慢になります。パンニングなどが滑らかになります。
  • (真下や真横ではなく)斜めから距離を確保する(※2)事により、あらゆる方向の動きが緩やかになります。
  • 片手で持つよりも疲れません(けっこう大事な事です)。

カウンターウェイトの追加

2本の脚を握り手部分よりもさらに伸ばし、端におもり(カウンターウェイト)をつけています。
金具の枚数を増減して、重心が握り手部分(の中央)に来るよう調整しています。

Counter weight

おもりを結束バンドで取り付けました。

Balancing on a chair

椅子の背に乗せて重心位置を確認しています。

このような効果があると考えています。

  • 握り手の力を多少抜いても、基本、向けた方向(見上げた/うつむいた)をそのまま維持します。
  • 重心部分を掴んでいるので、パンニング時に意図しない反作用は発生しません。
  • 全体重量が増加するため、歩行時の上下動が慣性により緩和される事が期待されます。

ジンバル式との違い

いわゆる「マリーン」タイプなどと異なり、一般的なスタビライザーのキモである「ジンバル(自由関節)」を使用していないので、特徴が異なります。

  • シビアなバランス調整は不要です。
  • 水平視点が基本(※3)のジンバル式と異なり、(見上げる/見下げるなど)ティルトの自由度が高くなります。
  • 両手でしっかり握っているので風の影響はありません。
  • 重心部分を握っているのでドロップタイムは∞となり(ドロップが発生しない)、揺り戻しによる時間差を伴った補正はありません。ステディカム独特の「浮遊感」は発生しません
  • 小型のコンデジ専用です。

動作原理について

前回のエントリー紹介した動画の中で説明されていた、ビデオスタビライズの二つの原理を両立させるものとして考案しています。

How to Make an Impromptu Camera Stabilizer

Adding counter weights increases the camera’s inertia and improves balance.
カウンターウェイトを追加すると、カメラの慣性を増大させ、バランスを向上させます。

Wider hand grips reduce the effect of random hand movements.
幅広のハンドグリップは、ランダムな手の動きの影響を低減します。


簡単な手間でそこそこ効果があります。費用もほとんどかかりませんでした。
また、遠目には「カメラと三脚を持ち運んでいる」ように見えるので、目立ちません。

実利を求める人にはオススメです。

※1 以前作った「剪定鋏式」は二脚によるグリップのみで、カウンターウェイトを付けていませんでした。
※2 真下(一脚タイプ)ではY軸上以外で、真横(ワイドハンドルタイプ)ではX軸上以外で、カメラからの距離が0になるため、手首の影響が残ってしまいます。
※3 ドロップタイムを長めに調整した上で練習を重ねれば、ジンバル根元をいじる事によりアングル変更は可能なようです。

今どきのステディカム

今どきのビデオスタビライザー(ステディカム)はすごいですね。
私が自作していた頃と状況はすっかり変わりました。

ビデオスタビライザー(いわゆるステディカム)の進化はすごいです。
私が自作で超素朴なやつを作っていた数年前とは状況がすっかり変わっています。

いくつかリンクを集めてみました。

今どきのハイエンドのプロ機材はすごいです。

MōVI from Vincent Laforet on Vimeo

電子制御のようです。

MōVI in Action (Quick Video) from Vincent Laforet on Vimeo

アマチュアの皆さんもすごいです。この方は別格。浮遊感ぱないです。

溶接にはとても手が出ません。

市販のデジカメやビデオカメラも「5軸手振れ補正」やら「空間光学式手ブレ補正」やらでどんどん進化しています。

いつの間にかAmazonでも国内外のビデオスタビライザーが普通に売られるようになりました。

ハイエンドなアプローチも新製品の購入も良いですが、
ビデオ撮影の手振れ軽減は意外と簡単な原理だったりします(実はこの動画が一番のオススメです)。

「普段の生活」を動画で撮影するならば、このくらいの素朴さが実は重要だと思っています。
ビデオスタビライザーの物々しい機材は、確実に周りに引かれてしまうので。

みんな楽しそうだなぁ。

低価格のビデオスタビライザー「TEEDA STB-145」の購入とバランス調整

低価格のスタビライザー「TEEDA STB-145」を購入しました。まずはバランス調整を行ないました。

市販ステディカムのバランス調整

プロ機材ドットコムで低価格のビデオスタビライザー「TEEDA STB-145」を購入しました(※1)。税込み19,740円と市販品としては破格値ですが、それなりに本格的なボールジョイントのジンバル式スタビライザーです。自作ステディカムの材料費と比較しても十分安いと思い、どんなものかと試しに購入してみました。

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こんな感じの可愛いトートバッグに入っています。

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全てのパーツです。冒頭のLumix GH1+14mm/F2.5と組み合わせる際にはエクステンションパーツは使用しませんでした。

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微調整用としてスライドレール(2,200円)も購入しました。

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まずはバランス調整を行いました。

市販ステディカムのバランス調整

仮組み後、まず重心の調整をします。お盆と菜箸で「シーソー」を作り(※2)、ウェイトをつけはずししながらジンバル下部辺りに重心が来るようにします。

市販ステディカムのバランス調整

次に、前後の傾きを本体のスリットを使って調整します。カメラの取り付け位置を前後させながら、カメラがうつむかないよう/あおむかないように調整します。

市販ステディカムのバランス調整

同時に、スライドレールを使って左右の傾きも調整します。目盛りがついているので液晶を開いたとき/閉じたときなど再調整を容易に行うことができます。

市販ステディカムのバランス調整

調整完了時の組み合わせです。やはり市販品は各種調整がやりやすいです(※3)。冒頭の写真のようにバランスが取れている状態では机の端にそのまま立てることもできました。

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※1 STB-145は「現在取扱停止中」となっています。購入できません。予約も受け付けていないので、もしかするとバージョンアップを控えているのかもしれません。あるいはパテント関連で販売できなくなってしまったのか……。一回り小さいSTB-094は2012年1月現在でも入手可能ですが、搭載可能重量、各種調整範囲が異なります。

※2 重心の割り出し方法はYouTubeの「ステディカム マーリン セットアップ」という動画を参考にしました。そちらでは杜撰な私とは異なり、細いワイヤーを利用して精度の高い調整を行っています。

※3 ウェイトをつけ外ししやすいように市販の蝶ネジに変更しました。また、本体に金属用のドリルで穴を追加しています(今回は利用していません)。

120215追記|STB-145の販売が再開されたようです。同時に新しい機種も出て、ラインナップが充実しました。小型タイプのSK-W02などが良さげです。さっそく使い始めた方もいました。